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刮風古樹青餅2018年・緑印

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刮風古樹青餅2018年・緑印

■概要
采茶 : 2018年4月11日・12日・13日
茶葉 : 西双版納州孟臘県漫撒山刮風寨茶坪古樹
茶廠 : 店長と茶友たち
圧餅 : 2018年5月5日
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 紙包+密封
数量 : 9枚(出品8枚)
出品 : 未定

■オリジナルのお茶
2018年の春のお茶です。
当店のオリジナル品です。
+【当店オリジナルのお茶について】

■刮風寨茶坪
このお茶「緑印」は同時進行でつくった「黄印」と工程が似ています。
先に黄印のページを読んだほうが分かりやすいです。
+【刮風古樹青餅2018年・黄印】
このページでは、緑印の特徴を紹介します。
緑印は、采茶から製茶までを茶友たちと共同で行い、圧餅を独自にしました。

刮風寨茶坪

■采茶
2018年4月11日・12日・13日の、3日間です。
旬の成分が充実した茶葉です。
農家が雇う13人の苗族が采茶を担当して、3日間で合わせて166キロの鮮葉を収穫しました。

采茶

采茶

看板

緑印は茶坪の中でもとりわけ大きな茶樹を選んでいます。
契約する農家は茶坪におよそ200本以上の古茶樹を所有していますが、そのうちの45本ほどです。
166キロ÷45本=約3.7キロ。1本の茶樹につき平均3.7キロの鮮葉が収穫できた計算です。刮風寨の古茶樹はどちらかというと芽数の少ないタイプなので、3キロも収穫できたら多いほうです
われわれは標準的な采茶よりも3日から4日早めのタイミングで、刮風寨にしてはまだ小さい新芽・若葉を採種しているので、1本につき平均3.7キロの鮮葉は、茶樹の大きさが際立つ収穫量です。

■品種
采茶に選んだ45本の茶樹には、原生の品種特性が強く現れています。
大きく開いた茶葉は手のひらよりも大きくタテに長く、その重さで垂れ下がるように枝に付いて、見た目にもわかりやすいです。

大葉種

茶葉

このタイプは、刮風寨からラオスにかけての森林に分布する野生茶にも似ています。森の限られた場所に群生する野生茶は、例えば30本あれば30本とも同じタイプで、他の血筋らしいのはまず見つかりません。
茶坪は古い茶地で、明代から清代にお茶どころとして開発された歴史を経て、外地から来た品種との交配がすすんだ可能性があり、血筋の違うとわかる茶葉が存在します。黄印に選んだ6本の茶樹がそうです。
漫撒山一帯の茶地はどこも品種の混生状態になっていますが、刮風寨はその中で品種のバラエティーが少ないほうです。とくに茶坪は垂れ下がる茶葉のタイプがほとんどを占めています。
他の茶地から遠く離れて孤立している茶坪は、外から茶果(種)が持ち込まれる機会が少なかった様子です。
遠い昔に、瑶族が山で野生茶を見つけて、森の木々を伐採して茶地となり、采茶を繰り返して栽培茶へと変化しゆく・・・この過程を見ているような気がします。
刮風寨は刮風寨のお茶の味、茶坪は茶坪のと、エリアごとにお茶の味に個性があるのは、山の気候や生態環境や土質などが品種特性を形成するからです。その点から見ると、垂れ下がる茶葉のタイプは茶坪の血が濃いと言えるでしょう。

采茶

看板の単樹

茶樹

垂れ下がる茶葉のタイプの中にも、茶樹一本ごとに味の個性があります。母樹から茶果が落ちて芽が出て育つと必ずそうなります。
采茶のときに一本一本の茶樹から新芽・若葉を摘んで食べると、微妙に苦いのも甘いのもあります。さらに製茶を経てお茶になると、微妙とは言い難い差になることがあります。その良し悪しを追求したのが単樹のお茶です。
ブログ「茶想」に紹介しています。
+【刮風寨単樹1号2018年 その1.】
+【刮風寨単樹2号2018年 その1.】
この2本の単樹は45本と同じく垂れ下がる茶葉のタイプで、茶坪の同じ斜面にあり、4月13日に采茶して同時進行で製茶しています。

高幹

単樹の茶葉

単樹の2本と同じように、45本それぞれに個性があるはずです。45本の単樹のお茶にすることも可能です。
生茶をつくるには4キロから5キロの鮮葉がないと殺青でうまく炒れないので、その収穫量があるのはおそらく15本ほどに限られますが、それ以外は殺青のない紅茶や白茶にすればよいのです。
しかし、今回はすべて生茶になることを全員が希望しました。2014年の春以来の最高のコンディションで手に入る鮮葉です。価格も過去最高値です。旬がはっきり現れる生茶で勝負したいところです。
それと、製茶の問題があります。柔らかい一芽二葉を采茶しても、このタイプの茶葉は一芽と二葉の間の茎が長く、他の茶山のに比べるとずいぶん茎の割合が多くなります。そのため殺青の鉄鍋炒りが難しくなります。

殺青中の店長

■製茶
萎凋について。
萎凋はゆっくり一晩かけました。農家の萎凋台には送風機がありますが、使用せずに自然の風に任せています。次の日の早朝から殺青します。
殺青(鉄鍋炒り)について。
茶友と自分と3人が交代で炒りますが、鮮葉の量5キロに統一、同じひとつの鉄鍋、手の動きも同じになるよう練習して、仕上がりを揃えました。
鮮葉を鉄鍋に投入して炒り始めると最後まで手を止められません。炉を覗くことすらできません。およそ15分ほど茶葉の撹拌だけに集中します。
できるだけ途中で薪の火を調整しなくて済むように、薪を選び、配置して、火を熾します。
炒り手が必要と判断したときだけ、助手が薪の火を調整します。

殺青の炎

殺青の茶葉

薪の火は最初はメラメラと勢いよく炎を上げ、そして徐々に弱まり、やがて炎は消えて赤々と光る輻射熱だけになります。
この展開が、鉄鍋に一回分の鮮葉を炒るのにちょうど良い火加減です。
炎の熱と輻射熱とは火の性質に違いがあります。
茎の割合の多い茶葉を炒る今回の殺青では、後半に蒸し焼きぎみになるよう茶葉をゆっくり撹拌します。そのときの炎は小さく、輻射熱が持続するほうがよいのです。新芽・若葉を焦がさずに、茎の芯まで熱を通すことができます。
炒り手は自分で薪を選び、配置して、火を熾します。そのほうが薪の炎をイメージしやすいからです。
殺青がはじまると最後まで炒り手に炎は見えません。見えないのですが、鉄鍋ごしの炎をイメージして見ようとします。慣れてくると見えなくても炎の状態がわかるようになります。

殺青の茶葉

茎の割合が多いことで、殺青開始直後から3分間ほどの茶葉の温度が上がりにくく、軽発酵がすすみやすい状態となります。
甘い香りと引き換えに風味の輪郭がぼやけますが、これは茶葉の形状からなる自然の理です。
もしもこれを嫌うのであれば他の茶山の茎の短い品種の茶葉を選ぶべきです。
しかし、過去にこれを解決する方法がありました。1950年までの過去の易武山私人茶荘のお茶づくりでは、一芽二葉の、一芽と二葉とを手作業で切り離しておいて、別々に炒ります。芽だけならほんの3分ほどで火が通ります。葉と茎は15分以上かけてじっくり火を通します。形状に応じた適正な火入れができます。
余談ですが、例えば今回の収穫量で行うとなると、10人のアルバイトが徹夜で作業しなければなりません。春の忙しい時期に地元では人手が見つからないので、外地から招聘して、寝るところも食べるものも提供することになります。難しいことですが、いずれ誰かがやると思います。

殺青の茶葉

殺青の茶葉

揉捻について。
茎の長い形状なので、やや捩れが甘くなります。繊維の弾力が強くて腕が弾き返されます。
揉捻の後、黄印は軽発酵を促すために渥堆しましたが、緑印の分は渥堆せずにすぐに晒干します。
早朝から炒りはじめて、揉捻して、すでに太陽が昇っています。
晒干(天日干し)について。
揉捻の終わった茶葉から順番に笊に広げて晒茶台に移動させます。時間に追われて製茶場は戦場になります。
茎の部分の水はカンタンには抜けないので、笊に薄めに茶葉をひろげて、風通しを確保して、乾燥を急ぎます。

圧餅後

茎が多いため乾燥に時間がかかります。水分の多いうちに軽発酵がすすみます。
4月14日にすべての晒干が終わり、晒青毛茶となりました。そのまま刮風寨で涼干させて、5月1日に山から降ろしました。

■圧餅
圧餅はひとりで行いました。
茶友たちと晒青毛茶を分配して、自分の取り分は2キロです。
茶葉用の倉庫で数日乾燥させると90g分の水が抜けて、1.91キロになりました。さらに圧餅加工で多少のロスが出るので、180gサイズの餅茶は9枚。120gのが1枚になりました。
緑印は黄印よりも少しだけ蒸し時間を短めにしています。
黄印が6分40秒のところ、緑印は6分20秒ほどです。

餅面表

圧餅後

緑印は黄印に比べると軽発酵がすすんでいないので、茶醤の粘着力が強く残っています。
圧力を加えるほどに表面の茶葉はペタッとなり、内側の茶葉は緊密にくっついてカッチリ締まります。
石型の上に乗って足踏みを3分間。しっかり繊維をほぐしています。

■品茶
餅面の茶葉は刮風寨茶坪ならではの、見るからに大きく、そして旬の柔らかさが曲線に現れています。
軽発酵により餅面の色には暖色がかかっています。新芽・若葉・茎によって、また若葉の大・小によって、軽発酵のすすみ具合が様々なので、色とりどりになっています。

餅面表

餅面裏

この形状と色合は、1950年以前と1970年代に多かった”大葉青餅”と呼ぶ生茶に似ています。
大葉青餅も、同じ漫撒山一帯の茶葉を使用していました。
等級の大きめの茶葉が配合されたのが大葉青餅ですが、今から見ると、育って大きく硬くなった旬をハズした茶葉ではなく、品種特性の現れた旬の大ぶりの若葉だったと推測できます。

餅面崩し

緑印はしっかり固まっていますが、茶葉の繊維は弾力を保っているので、千枚通しの針先で丁寧に剥がすと葉形を壊しません。

崩した茶葉

お茶淹れは茶壺がおすすめです。
茎の部分に宿る甘味を出すのに熱量が必要です。1煎・2煎では足りず、3煎・4煎と重ねて熱を入れてゆきます。

泡茶

オリーブオイルのような色をしていますが、果実っぽい青臭みといい、とろっとした舌触りといい、ちょっと似ています。
この青臭みは黄印には少ないので、緑印の品種特性からくるものと思われます。

茶湯の色

新芽・若葉・茎の多様な形状から抽出される味が、層の厚みを形成しています。
茶坪の野趣ある苦味、ボリュームある旨味、透明な甘味、辛味や渋味の刺激、火の味の深み。全体的にまろやかでおっとりした印象ですが、舌に融けて消えるのが早く、清く涼しく、眠たい感じはしません。
煎を重ねるほどに出てくる甘味と、3煎めくらいから落ち着く苦味と、一煎ごとにズレてゆくバランスが捉えどころのない魅力になります。
体感について。
ゆったりとした酔い心地です。じわじわと身体中に血が巡り、浮くこともなく沈むこともなく漂えます。
できたての生茶によくある”寒”の性質は比較的穏やかです。個人の体質に合わせて飲む量に気をつければ季節を問わず楽しめます。
身体へのアタリも穏やかです。急に汗が出たり、目の覚めるような興奮を感じることはありません。背中の緊張がほぐれる落ち着いた響きが長くつづきます。

葉底

葉底アップ

葉底について
茎の長い特徴が現れています。
軽発酵のすすんだ色をしていますが、黄印に比べると緑色が鮮やかに残っています。熱の通りにくい茎の部分を意識して火入れした効果です。難しい殺青でしたが、上手に仕上がっていると思います。
今後気がつくことがあればブログ「茶想」に書きます。

■追記
もしも采茶のタイミングが2週間遅ければ、どんなお茶ができるのかを茶友が試しました。
ブログ茶想に紹介しました。2018/06/23
+【刮風古樹青餅2018年・晩春 その1.】

■出品
180gサイズの小餅茶で9枚つくりましたが、サンプルの1枚を差し引いて出品は8枚の予定です。
少なくとも半年以上寝かせてからの出品を検討しています。陶器の壺で熟成させます。
出品が決まればサイトで案内します。

■お客様の感想

ご感想をいただけたら幸いです。


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