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【オリジナルのお茶の記録】


一扇磨陰涼散茶2015年プーアル茶

yi shan mo yin liang san cha

一扇磨陰涼散茶2015年

■概要
製造 : 2015年3月16日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨野生茶
茶廠 : 漫撒製茶工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶(晒青緑茶)
保存 : 西双版納―上海 密封
数量 : 1袋30g 出品5袋

■生茶プーアール茶
2015年の春のお茶です。
当店のオリジナル品です。
+【当店オリジナルのお茶について】

■晒青緑茶
晒青毛茶は天日干し仕上げのプーアール茶の原料となる茶葉です。
バラバラのままの形状から「散茶」とも呼ばれます。
緑茶の感覚で新鮮な風味を楽しめます。
何年か保存して熟成を楽しむのもよいでしょう。

■一扇磨について
「一扇磨」(yi shan mo)は地名です。
ラオスとの国境沿いにある漫撒茶山の一角で、「弯弓」と「丁家老寨」の中間に位置する深い山のお茶どころです。
+【一扇磨古茶樹 写真】
現在は人里離れた山奥ですが、清代の後半(1800年代後半)の貢茶づくりが栄えた時代には村があり、茶が栽培されていました。馬で茶葉を運んだ石畳の跡がところどころに見つけられます。

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

■熱帯雨林の山のお茶
西双版納は世界の茶樹の故郷と推測されています。
人間とお茶の歴史の古いところです。
食べるお茶やクスリのお茶からはじまり、辺境地の人々の生活を支える黒茶が主流でしたが、これを高級茶にする発想の転換が、明代から清代にかけて漢民族が南下してきた時代にはじまります。喫茶文化圏の需要が西双版納のお茶を再発掘しました。
広大な熱帯雨林に囲まれた山々の特殊な気候に育つ茶葉。お茶は爽やかな甘さがあり、香気・茶気は深い森で深呼吸するかのようです。
このお茶の味わいは熱帯雨林とその山の上の常緑広葉樹林の特殊な気候が育んだものです。しかし、近年の農産物(天然ゴム・バナナ・トロピカルフルーツ・漢方薬材)の農地拡大により大規模に熱帯雨林を失い、茶園の開拓により山の上の森は日陰を失い、地域全体の気候が変わりはじめています。
人里から遠く離れた一扇磨の山は、西双版納の昔のままの姿の残る最後の聖地です。

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

日陰で育つ青黒い葉は、まるでワックスを塗ったような光沢があり、暗い森の中で銀色の光を反射します。
近年の茶山の多くが森林を失い、日陰を失い、太陽の光を浴びて茶葉は黄色く明るい色へと変色していますが、もともと茶樹は日陰を好む植物です。

■品茶
この茶葉が摘まれた3月15日は、乾季の冬が終わる早春で、およそ1ヶ月ほど雨の降らない日が続いていました。それでも森は水を豊富にたたえ、若葉は大きく薄く柔らかく開き、茎はひょろひょろ長く伸びています。人が手入れをする農地においてこのように育つ茶葉は、夏の雨の季節の旬をハズレたお茶ですが、西双版納の森林のお茶は違います。

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年

易武山から漫撒山にかけての森のお茶は甘いのですが、消えが早く、爽やかな印象に特徴があります。これを「涼しい甘さ」と表現します。この涼しい甘さは、森の木々に囲まれた陰に育つ茶樹に宿ります。
苦味・渋味はほとんどなく、かなり濃く淹れても嫌味になりません。
水質の密度は濃く、色がほとんど出ないくらいに薄く淹れても、舌触り柔らかく、のど越しは滑らかで、水っぽさを感じさせません。
香りはこれといって特徴のない、お茶そのものですが、湯を注ぐたびに変化してかすかに花や果実を想わせる香りがユラユラと現れては消えます。
プーアール茶の高級に、人工的なものを嫌う方向への理想があるとしたら、現時点(2015年春)、当店で過去に手に入れた生茶の茶葉の中で最高の品質だと思います。
静かな表現のお茶なので、できるだけ少人数で、お菓子は無しで飲まれますようお願いしたいです。

■出品について
2015年の春は、一扇磨の山奥のこの野生茶樹が群生している森へ3回入り鮮葉が採取されましたが、悪天候などが重なり、1回めのみのお茶が満足の行く質に仕上がりました。約1キロの鮮葉が収穫できて、晒青緑茶となったのは180g。森林のお茶を採取するにはまだ時期が早すぎて、ほんの数本の茶樹しか若葉が育っていなかったためです。
なお、この一回目の収穫のタイミングには、店長が采茶に立ち会うことができておりません。別の山でお茶づくりをしていたからです。
収穫および製茶は、漫撒山の製茶工房が行いました。
(オリジナルのお茶は基本的には采茶に立ち会う方針なので、例外的です。)

一扇磨陰涼散茶2015年

一扇磨陰涼散茶2015年プーアル茶

2015年05月05日 終了


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