漫撒風道青餅2015年　その１．

man sa feng dao qing bing cha

• その１　風道　＜
• その２　呼吸

■概要
製造　：　2015年4月20日（3月20日采茶）
茶葉　：　雲南省西双版納州孟臘県漫撒山丁家老寨古樹
茶廠　：　漫撒山工房
工程　：　生茶
形状　：　餅茶180gサイズ
保存　：　西双版納―上海　紙包＋竹皮
数量　：　13枚

■オリジナルのお茶
2015年の春のお茶です。
当店のオリジナル品です。
+【当店オリジナルのお茶について】

■生茶
生茶のプーアール茶です。 茶摘みから圧餅まで、すべての工程に付き添ってつくったお茶です。
原料となる晒青毛茶は１日摘み＋翌日１日仕上げ。
出品数は7枚。（13枚✕180g＝2340g）

■風道
山は遠くから見ると穏やかな曲面を描いていますが、そこを歩いてみると、地形の起伏の複雑なことに気付きます。峰あり、尾根あり、山腹あり、谷あり、崖あり。景色のみならず空気の流れや水の流れや日照に変化をつくり、そこに適応して生きる植物の生態系に多様性をもたらしています。例えば、ある種の植物は谷底の湿った森にしか生きられず、ある種の植物は山頂付近の強い風が斜面を刮る岩場に這いつくばって生きています。

茶樹はというと、人による栽培がはじまってからはいろんな場所に適応していますが、もともとは森の中の日陰を好む植物です。山の上のほうの風裏にある大きな木々が茂る密林の森。水はけも風通しも良く、暑くもなく寒くもない、涼しい日陰です。背の低い植物からするとやや日照不足ではありますが、茶樹にとっては他の植物との生存競争に有利なオアシスです。

雲南省南部からラオス・ミャンマー・ベトナム・タイ北部の山岳地帯は茶樹の原生地です。
遠い昔、この辺りを移動しながら生きる山岳少数民族が、乾季に森を焼いて農地をつくるたびに茶樹は数を増やしてゆきました。しかし、同時に森の木陰を失ったはずです。太陽に照らされ風にも吹かれます。人が去ってまた森が戻って、人が来てまた森が焼かれて、何十年のサイクルを繰り返すうちに品種的な性質を変えていったことでしょう。丁家老寨の山にはまさにその過程にあるような茶樹が見つかります。
今回のお茶づくりに選んだ数本の古茶樹もそうです。
その斜面は周囲に森の残る農地で、谷底から上がってくる風がいつも木の葉を揺らしています。
立ち止まって深呼吸したくなる気持ちよさです。

風の道です。
丁家老寨の山頂付近はラオスの方向から常に強い風が吹いています。風のまっすぐ当たる斜面では背の高い樹木が育たないくらいです。この風の本流が山の複雑な地形に生じる気圧の差に影響されて、いくつもの支流をつくります。丁家老寨の山にはいたるところに風の道があります。
風は水を運びます。
風が運ぶ霧のような小さな水滴を森の樹々の葉が受けて、枝や幹を伝って落ちて地面に染み込み、いろんなところから湧き出します。
山の上のほうの森には水源地がいくつもあります。
風の道は森を育み、地中に水の道をつくります。

風の道に生える数本の古茶樹は、いつの時代からそこにあるのか山の人も知らないのですが、山の歴史から推定すると1600年代から1800年代にかけて栽培されていたもので、根本のところで台刈りされて分岐した幹がそれを証明しています。樹齢は少なくとも200年以上。あるいは200年前からすでに樹齢数百年に達していたかもしれません。
采茶（茶摘み）は午前中のみ。
風の涼しい時間帯にしました。

■その２　呼吸
+【漫撒風道青餅2015年　その２．】

漫撒風道青餅2015年　1枚　180ｇ