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漫撒古樹青餅2013年 その6

man sa gu shu qing bing cha

巴達古樹紅餅紅茶

■規格
餅茶1枚385g、6枚一筒。
7枚一筒が標準ですが、今回は6枚一筒にしました。
竹皮で包まれた一筒は長期保存に最適です。
6枚のほうが手ごろな価格になるのでこうしましたが、5枚以下になると包みの締りが悪くなるので、程良い枚数だと思います。

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

竹皮は隙間なくきっちり密封するよう仕上げてもらいました。
腕の良い仕事です。
当店の西双版納での長期保存はこの竹皮の包みのままで、わずかな通気を許しています。

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

お客様の手元へは上海から発送します。
お手元へは真空パックした状態で届くので、到着後1週間ほどして開封して保存してください。風味の変化を好まない場合は、しばらく真空パックのままでも結構です。

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

  1. 漫撒古樹青餅2013年・黄印 (丁家老寨一度炒り 半発酵)
  2. 漫撒古樹青餅2013年・青印 (丁家老寨二度炒り 半発酵)
  3. 漫撒古樹青餅2013年・緑印 (易武瑶洞一度炒り 無発酵)

写真ではわかりにくいですが、肉眼では餅面の色の違いがわかります。
「黄印」・「青印」・「緑印」は、お茶の発酵タイプを表していますが、餅面の色にもその雰囲気があります。 (年数が経つと変わります。)

■品茶
圧餅を終えてプーアール茶は仕上がります。
蒸して固めて乾燥させる熱や水分で変化するからです。その変化を計算して農家の晒青毛茶を見ています。
しかし、今年の晒青毛茶は本音のところスッキリしません。
丁家老寨の「黄印」や「青印」は思うように萎凋できなかったり、焦げ味のアクシデントがあったり。易武瑶洞の「緑印」についても、製茶に特別なオーダーをしていないので、あと少しのところが気になります。
圧餅工房のオーナーの言うように、そのくらいのブレは可とするのか、それとも否とするのか、思案のしどころです。
ちなみに、昨年の『丁家老寨青餅2012年』に技術の問題がなかったのは、8分めくらいに火入れしていたからです。
今年のお茶はしっかり火入れして香りを立てようとしました。ところが、気候の変化によって鮮葉は水分を多く含み、難易度が高くなりました。

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

左: 漫撒古樹青餅2013年・緑印 (易武瑶洞一度炒り 無発酵)
中: 漫撒古樹青餅2013年・青印 (丁家老寨二度炒り 半発酵)
右; 漫撒古樹青餅2013年・黄印 (丁家老寨一度炒り 半発酵)

何度も試飲した結果、
これを完成品と認めないことにしました。
当店の要求レベルが年々上がっているとは思いますが、とくに丁家老寨のお茶はもっとうまくできるはずだったと悔いが残ります。
もちろん、美味しく飲めるお茶です。
オリジナルの品付属の「箱」を無くして、手軽な価格にして、日常のお茶としてご利用いただこうと思います。

サンプルセット
黄印・青印・緑印の崩し各35gのサンプルセットをご用意しました。
忘れられない甘さを知ってから、一枚モノのご購入を検討いただくことができます。

この試飲では、欠点を見つけるために濃くしたり薄くしたり、わざわざ下手な淹れ方をしています。お客様の手元で普通に淹れていただく分には普通に美味しいお茶となり、お得な買いモノになると思います。

つぎの春になればまた新芽が出てきます。
もういちど挑戦してもっと良いお茶をつくりたいと思います。 (次に掘り下げるテーマは「製茶」になりそうです。)

■黄印

漫撒古樹青餅2013年・黄印 (丁家老寨一度炒り 半発酵)

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

いちばん透明感があってキレイな風味がこの「黄印」です。
かすかに紅茶に似た甘い香り。後口に爽やかな渋味や酸味。
茶湯の色が出にくいので、それを目安にすると濃くなりすぎます。薄い色でもじゅうぶんに味があります。
茶葉を少なめにして熱い湯でじわっと抽出すると、かすかに薬草のような爽やかな青味が感じられます。

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶
左: 青印
右: 黄印

葉底の色に違いが現れています。
「黄印」は変化がすすんで全体的にやや黄色がかっています。
「青印」のほうは二度炒りによってしっかり火の通った緑色が残っています。

■青印

漫撒古樹青餅2013年・青印 (丁家老寨二度炒り 半発酵)

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶
左: 青印
右: 黄印

「青印」は茶湯の色がより濃くなります。
風味もまた同じく濃く感じられます。
残念ながら、完全には焦げた茶葉を除去できなかったようで、濃すぎるくらいに淹れると少し気になります。普通に淹れる分には問題なく、焙煎香のアクセントと感じられる程度です。
香りは、現時点(圧餅から3日目)ではまだ落ち着きません。狙っていたほどの甘い香りはありませんが、その素質は感じられます。しっかり萎凋したものは圧餅後しばらくは熟れすぎた果実のような香りがして爽やかさに欠けます。3ヵ月ほどかけてドライな風味に変わり、さらに半年後には薬味が利いたり甘味が出てきたりして、高級感が漂うようになります。(なるはずです。)
定期的に試飲リポートをするので、心配な方はしばらくお待ちください。

■緑印

漫撒古樹青餅2013年・緑印 (易武瑶洞一度炒り 無発酵)

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶
左: 緑印
右: 青印

「緑印」は一般的な製茶です。
素質の良さを感じさせる底力のある苦味と甘味。健康的な古茶樹の特徴がまっすぐに現れています。今年の鮮葉は水分が多かったせいか、これにも少し焦げ味がありますが、嫌味にはなりません。

農家のいつもの製茶なので萎凋は意識されていません。
より緑茶に近づくこの風味は、一瞬で口に広がり、輪郭のわかりやすい味です。風味にボリュームがあるように感じますが、その一部は、鍋炒りによるムラ、つまり「焦げ」や「生焼け」から生じています。表面温度が390度に達する高温の鉄鍋で、水分の多い鮮葉を短時間で炒ることに問題があります。そしてそこに生茶のプーアール茶の味があるとも言えます。

■焦げ味
易武山のお茶の甘い香りは、少しだけ焦げたところから生じます。
しかし、かんたんに見つかるような焦げ味はダメで、存在を感じさせないで甘い香りだけが感じられるのがベストです。

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

焦げや生焼けのムラを無くしたいのなら、蒸したり茹でたりする方法があります。どうしても鉄鍋というのなら低温でゆっくり炒ってもよいでしょう。
例えば『南糯古樹青餅2010年』は、機械炒りで蒸し焼き効果を得て、濁りのない清淡な風味を引き出していました。
+【南糯古樹青餅2010年プーアル茶】
しかしそれはしないのです。
易武山や漫撒茶山は、鉄鍋で手炒りの短時間仕上げです。

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

写真は『攸楽山古樹春茶09年』の葉底。
攸楽山も易武山とおなじ孟臘県の茶山です。
2012年に撮影したので熟成した色になっています。
ところどころ焦げて黒いところがありますが、それでも嫌味がなく、薫り高いお茶でした。
+ 【攸楽山古樹春茶09年】
たしか2009年の春も比較的雨の多い年だったと記憶しています。

■圧餅のバラつき
7枚組一筒の竹皮包みで買ったのに、一枚一枚の風味が少し異なることがあります。竹皮を誰かに開封された跡はなく、差し替えられてはいないはずです。
当店が販売した品で例を挙げると、
+【易昌號大漆樹圓茶04年】
+【真淳雅號圓茶96年】
+【同興號後期圓茶70年代】
+【8892後期紅印圓茶】
などです。共通点は、

  1. 易武山の茶葉であること。
  2. 配方(等級別に分けて再構成してブレンド)をしていないこと。

多くの品種が混生している農地。
品種によって時差のある成長。
山の斜面ごとの土質や水分。
その日の収穫分をその日に製茶する農家。
数日分ごとにまとめて買い取る茶荘。
ざっくり混ぜ合わせて圧餅する工房。

一餅ごとの風味が異なるのは当然の結果です。

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

これを知っていながらなぜ厳密に混ぜ合わせないのか?
ひとつは、大事につくった毛茶ほど形を崩したくないことです。
茶葉が崩れすぎると味が濁ります。パリパリに乾いた晒青毛茶を触ると割れたり崩れたりするので、力を入れないようそっと混ぜることしかできません。
もうひとつは、「それでよいのじゃないか」という価値観です。
実は、当店のオリジナルにも易武山のは一枚ごとの風味にバラつきがあります。

易武古樹青餅2010年プーアル茶

この写真は2つとも『易武古樹青餅2010年』です。
+【易武古樹青餅2010年プーアル茶】
(この時点で3年熟成なのでやや赤く変色しています。)
餅面の茶葉は、左は開いてペタッとして、右は細く捩れています。
一軒の農家が3月1日から4月10日まで茶摘みしました。日に日に成長して繊維質を増やしてゆく鮮葉は、揉捻の力を同じように加減していても、その効果が違ってきます。茶葉の成分、殺青の火入れ、晒干、それぞれの少しずつの違いがバラつきを生じさせます。
これを許しているので、一枚の中にも美味しさの焦点はあちらこちらにあります。

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

写真は孟海県のお茶『巴達古樹青餅2010年』です。
+【巴達古樹青餅2010年プーアル茶】
一枚一枚のバラつきは少なく、左右の餅面は均質です。
巴達山曼邁寨の古茶樹は、布朗族の村の歴史から推測すると清代の1700年頃に開拓されています。西双版納の有名茶山のなかでは比較的新しい農地といえるでしょう。
海抜1800メートルを超えるこのあたりにしてはやや寒冷な気候により、生息できる品種は限られます。また、製茶を専業にする農家の仕事なので、設備が良く、毛茶をしっかり混ぜ合わせてムラなくすることもできます。
美味しさの焦点はひとつに定まりやすいといえます。

■思想
このお茶づくりは誰もが経済的に面白くない仕事になっています。
お茶の味などそこそこ美味しければ十分で、それ以上を求めなければ労力も半分で済み、価格もそこそこに抑えられます。
人の好奇心にも限りがあり、どんなに美味しいと言われるお茶でも一口飲んで知ったら十分で、それならこの仕事は存続しません。
なのに、人はなぜ昔からこういうことをしてきたのか?

お茶の味を追求するのは、茶が文化に昇華してからと思いますが、ではその文化とはなにか?と、文献などをたどると、昔の都市生活をする人々にとって、お茶は思想のツールになっていたのではないかと思えるところがあります。

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

他人と自分とはお茶の味が違う。なぜそう感じたのか?と、自分という人を理解しようとする試みがはじまります。
テレビもネットも無い時代なので、昔の人々はお茶の味と自分との相対的な関係に静かな興奮を味わったのかもしれません。自分の可能性を見つけるために、いろんな味が必要だった。美味しい不味いだけではなく、わかりやすい味やわかりにくい味、苦いのに甘い味、古く枯れつつ美しい味、旬の輝く味、などなど、人々は求めて求めて、お茶は百花繚乱の風味をもつことになります。
また、日々の農作業から解放された都市生活の人々が、自然科学を学ぶのにもお茶はよい教材になったはずです。山の環境、製茶の技術、旬、すべてが味になって現れます。
そうやって、お茶の間に哲学や自然科学をもたらして、人は熟して、東洋の思想の根を育てた。と、大げさに言うとそうかもしれません。仏教や道教がお茶を求めたのもそういうことでしょう。

漫撒古樹青餅2013年プーアル茶

易武山の歴史はいろいろな説がありますが、麻黒村の名が唐代(618年 - 907年)に記録されていたとする文献があります。
唐代というと、雲南は「南詔王国」。チベット・ビルマ語族の領土だったはずです。(そのうち今もここでお茶づくりに関係するのは彝族、アイニ族。)
しかし、それはあくまでも土地を「面」でとらえた考え方です。
土地の所有の概念のない民族が現在もなお山つづきの西双版納・ミャンマー・ラオス・タイに生きています。お茶どころがあって、輸送経路があって、その「点」と「線」さえ繋がれば、麻黒村が唐代から茶文化のお茶をつくってきたとしてもまったく不思議ではありません。

遠回しになりましたが、そういうわけなので、焦点の合わないこのお茶だからこそ出会えるなにかを味わっていただければと思います。

■その7 熟成 (つづき)
+【漫撒古樹青餅2013年 その7】


漫撒古樹青餅2013年 1枚 380g


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