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弯弓秋の散茶2013年プーアル茶 その2

wan gong qiu tian san cha

弯弓秋の散茶2013年

■甘い水
弯弓は「山の上ほど水がある」と言われます。
たしかにこの辺りは山頂付近ほど木々が密集して緑が濃いです。

弯弓秋の散茶2013年

弯弓秋の散茶2013年

そしていたるところに沢があります。
乾季の雨のない季節でも熱帯雨林から沸き上がる蒸気で、弯弓を含む漫撒山の一帯は夜から早朝にかけて霧に包まれます。早朝の草木はまるで雨の後のように水滴をつけます。

弯弓秋の散茶2013年
(漫撒山丁家老寨の朝の霧)

霧は空に昇って低く流れる雲となり、山頂の森をかすめます。草木をつたって落ちた滴が土に浸み込み、あふれ出て沢になります。山の高いところほど水が豊富なわけです。霧が山の上に森を育み、個性ある品種の茶樹を養います。
この沢水は格別に甘いのです。
水の甘さは弯弓のお茶の甘さそのものです。

弯弓秋の散茶2013年

弯弓秋の散茶2013年

沢水の味は土の成分を反映していますが、茶樹もまたその土に根を張って生きているので、水の味とお茶の味に共通点があるのは当然です。

弯弓秋の散茶2013年

弯弓の沢には苔や水草が生えません。
栄養となる有機物質に乏しく、純粋な水に近いということでしょう。この栄養バランスが、清らかに澄んだお茶の味をつくります。そういえば、有名茶山の水はどこも甘くて美味しいです。
銘茶のあるところ名水ありと言えるでしょう。

■采茶・製茶
弯弓の製茶は変わろうとしています。
途中までバイクでゆける道ができたことで、その日のうちに摘みたての鮮葉を持ち帰れるようになりました。それまでは、弯弓の山小屋で、殺青(鉄鍋炒り)・揉捻(揉み捻じる)・晒干(天日干し)をして出来上がった晒青毛茶を持ち帰っていました。
村へ鮮葉を持ち帰って農家で製茶ができるので、クオリティーの高い晒青毛茶が出てきています。さらに、これに眼をつけた茶商が瑶族(ヤオ族)の村に土地を借りて製茶場をつくり、製茶専業の仕事を始めました。
これはちょっとした革命です。

弯弓秋の散茶2013年

弯弓秋の散茶2013年

瑶族の農家は鮮葉を売るだけで製茶をしなくてもよいので、茶摘みに専念でき、その結果産量が増えます。個人によって異なる技術のムラについては考えなくてもよくなります。
素材を味わうのが辺境地のお茶です。仕上がりの良し悪しにはあるていど目を瞑ってきましたが、これからはそうもゆかなくなります。キレイに仕上げることができるようになると、かえって良し悪しがわからなくなるものです。弯弓のお茶の個性はどこにあるのか?どんな製茶の仕上がりが魅力的になるのか?最初から考えなければなりません。

弯弓秋の散茶2013年

そこで、今回は丁家老寨の農家に持ち帰って、なじみのある技術で試すことにしました。ちょうどこの時、丁家老寨の秋の茶葉で「萎調」(萎らせて軽発酵をうながす)の時間を長くとる製茶を試していました。これと同じようにして比べると、より個性が見つけやすいだろうと考えました。
持ち帰るのに3時間ほどかかります。道中の袋の中で蒸れて予期せぬ軽発酵がすすむといけないので、途中2度ほど袋の中をかき混ぜ、冷たい空気に晒します。到着してすぐに笊に広げて「萎調」させます。

弯弓秋の散茶2013年弯弓秋の散茶2013年

笊に広げてみると、かなり多くの茶葉が虫食いになっているのに気付きました。味に影響しそうなのを取り除くことにしました。丁家老寨の農家の人たちの意見を聞くと、味が悪くなると言う人と、ならないという人と半々でした。

弯弓秋の散茶2013年弯弓秋の散茶2013年

弯弓秋の散茶2013年

秋の茶葉は水分が多く、茎の部分が長く育つので、殺青(鉄鍋炒り)の時間をいつもより少し長くして、その分火を弱くして、じっくり熱を通します。
薪は2年ほど乾燥させてあり、トロトロと柔らかい炎を上げます。

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揉捻は農家の人といっしょに行いました。
揉んでいる時の手のひらにも、弯弓の茶葉はやや水分が多く、茎の弾力が強いように感じられました。

弯弓秋の散茶2013年

弯弓秋の散茶2013年

弯弓秋の散茶2013年

弯弓秋の散茶2013年

晒干はまる一日。
直射日光でバッチリ焦がします。
この「太陽の焦げ」が長期保存に強い成分をつくります。
近年の農家では半透明のボードの屋根の下で晒干させるのが流行しつつあります。突然の雨に濡れたりホコリをかぶったりする心配がないからです。

弯弓秋の散茶2013年

弯弓秋の散茶2013年

直射日光の強い光線を避けつつ、ボードの放射熱があり、キレイに乾燥します。このほうが澄んだ風味になると言われていますが、実際にそうだと思います。
「太陽の焦げ」は、ちょっと煙たいような匂いや、チョコレートっぽい雑味や、やや酸っぱかったり辛かったり、どちらかというとマイナスイメージの風味をつくります。
でも、そのほうがよいと思います。
食べものや飲みもの知恵は、心地良い味覚だけを求めてはいません。もしかしたら保存だけでなく栄養面においてもなにか利点があるのかもしれません。
味には「慣れ」があります。慣れることのできる味は経験を重ねるほどに身体が喜んで受け入れる味です。太陽の焦げについてもそういう性質があるように思います。
もちろん、焼き魚の焦げに美味しい状態があるように、太陽の焦げにも美味しい状態があると思うので、それはそれで追求してゆきます。しかし、焦げを邪魔者にして無くすようなアプローチはしません。その方向でゆくと別のお茶をつくることになり、この土地で何百年もかかって完成度を高めてきた製法の知恵を発掘できなくなります。これについては餅茶の圧延加工も同じです。多少の風味を犠牲にしても、やはり古式のやり方で餅面に太陽の焦げをつくるのが良いと思います。
茶葉の育ちが土地によって異なるように、製茶加工もまた土地の気候風土が影響して独自の風味をつくります。土地に根付いた技術には、なにかの考えがあってそうしている可能性を否定できないのです。外地からもってきた技術が応用できるかどうかについては、時間をかけて慎重に検討したいところです。

弯弓秋の散茶2013年

弯弓秋の散茶2013年

■その3 製茶
【弯弓秋の散茶2013年プーアル茶 その3】



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