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一扇磨青餅2016年

yi shan mo qing bing cha

一扇磨青餅2016年

■概要
采茶 : 2016年3月21日
茶葉 : 西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨 小樹+古樹
茶廠 : 孟海県工房
圧餅 : 2016年5月14日
工程 : 生茶プーアール茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 西双版納 紙包+密封
数量 : 無印28枚 黄印19枚

■オリジナルのお茶
2016年の春のお茶です。
当店のオリジナル品です。
+【当店オリジナルのお茶について】

■2つの生茶
2016年の春は一天一采。
ある一日に摘んだ茶葉で、ひとつのお茶を仕上げます。
別の日の茶葉を混ぜることはしません。
3月21日は製法を分けることで、3つのタイプのお茶ができました。
生茶のふたつ。
『一扇磨青餅2016年』
『一扇磨青餅2016年・黄印』
もうひとつは紅茶です。
+【一扇磨紅餅2016年】
(別ページに紹介しています。)

一扇磨青餅2016年2つの包み紙

一扇磨青餅2016年2つの餅面

一扇磨青餅2016年2つの餅面裏

一扇磨青餅2016年2つの茶湯の色
左:一扇磨青餅2016年
右:一扇磨青餅2016年・黄印

この2つの生茶を紹介します。

■製茶
『一扇磨青餅2016年』は近年の標準的なつくり方です。
『一扇磨青餅2016年・黃印』は渥堆(wo dui)をしています。
どちらも生茶のプーアール茶ですが、ちょっとだけ違いがあります。

一扇磨青餅2016年
采茶ー萎凋ー殺生ー揉捻ー晒干

一扇磨青餅2016年・黄印
采茶ー萎凋ー殺生ー揉捻ー渥堆ー晒干

一扇磨青餅2016年の渥堆

一扇磨青餅2016年の渥堆

製茶工程の茶葉にまだ水分のあるうちに布に詰めて一晩寝かします。これが渥堆です。渥堆というと近年は熟茶の微生物発酵のことになりますが、このお茶の場合は茶葉のもつ成分だけが変化する軽発酵のことです。微生物は関わりません。
「黃印」の製法は2013年から試していますが、実はまだはっきりと理解できていません。
なぜ、漫撒山の農家は昔にこの製法でお茶をつくっていたのか?
どういう効果を求めたのか?
長期保存熟成にはなんらかの効果をもたらすのか?

一扇磨青餅2016年

手探りするうちに、いくつか見えてきたこともあります。

一扇磨青餅2016年

左:一扇磨青餅2016年
右:一扇磨青餅2016年・黄印

注目するのは「黄印」の後味の消えの良さです。
西双版納の高級茶は後味の消えの早さとキレイさ、喉越しの気持ちよさを重視します。
つまり、味や香りの個性よりも水質の良し悪しに注目します。水質の良いお茶のほうが飲み飽きしないからでしょう。
近年になって生茶のプーアール茶が中国の高級茶市場を席巻した理由がここにあると思います。
さて、そうすると「無印」の後味のエグ味を目立たさないためには、短い抽出時間でバランスをとるように、蓋碗を使って茶葉たっぷりでサッと湯を切る淹れ方が適していることになります。これなら10煎以上飲み続けられます。
逆にじっくり時間をかけて抽出するなら、保温力のある茶壺を使い、湯の量と比較して茶葉の量を少なめにしたほうが、その効果を引き出しやすくなります。せいぜい5煎か6煎で終わります。(味は薄くなっても飲みごたえのあるために、もっと煎が続くように感じることはある。)
人々の嗜好の変化、茶葉市場の変化、そして経済の変化、いろんな要因がお茶づくりやお茶淹れの技術を少しずつ変えてゆくのかもしれません。

■一扇磨
一扇磨は地名です。
西双版納旧六大茶山のひとつ漫撒山(man sa)の一部にあり、ラオスとの国境をまたいで原生林の森が残っています。

一扇磨青餅2016年

一扇磨青餅2016年

詳しくはこちらをご参照ください。
+【一扇磨陰涼散茶2015年】
写真ページ
+【一扇磨 古茶樹】
このお茶の農地は昨年の秋に訪問しており、『茶想』の記事にしています。
+【一扇磨単樹A春の散茶2015年 その4.】
原生林の森に囲まれたサッカーグランドくらいの農地がポツンとあり、樹齢50年に満たない小茶樹から樹齢数百年になる茶樹が混生しています。

一扇磨青餅2016年

一扇磨青餅2016年

農地は東向きの斜面です。
午前中に太陽が当って、午後からは日陰になります。もともと日陰を好む茶樹にはやさしい環境です。
茶樹は大小様々です。巨大な茶樹は「単樹」のお茶として特別に選り分けて采茶(茶摘み)されますが、それ以外の大小様々な茶樹は若葉が育ったものから順に采茶されます。若い小茶樹の茶葉も混じって古茶樹100%にはなりません。そのため、お茶の名前から「古樹」を外しています。

一扇磨青餅2016年

一扇磨の山には人家がありません。茶以外の他の作物は栽培されていません。近隣の村に引いている生活用水はこのあたりを水源とするので、土壌の汚染は許されません。農薬や肥料とはまったく無縁の自然栽培です。

■2016年の春
2016年は2週間ほど春が遅れました。農暦から見ても1ヶ月ほど遅れた年でした。
西双版納の一年は乾季と雨季に分けられます。10月中頃から4月中頃までが乾季で、4月中頃から10月中頃までが雨季です。
例年の春の旬は3月から4月中頃までですが、2016年は遅い春となったので、4月中頃から5月初旬にかけて茶摘みのピークが来ました。雨季の気配が濃くなる時期です。そのため、春の旬の味が宿る期間が短くなりました。
晒干(天日干し)の工程を重視するため、雨季が近づいて雲が多くなったり、ときどき雨が降るようになると、製茶の仕上がりがスッキリしない問題があります。
ところが、茶樹は樹齢の古い大きなものほど、涼しい森の日陰で気持ち良く育つものほど、栽培に人の手が加わらないものほど、新芽・若葉の育つタイミングが遅くなる傾向にあります。気候の変化は無情にも日に日に進み、春から夏へ向かいます。
春の味をとるか、古樹の滋味をとるか。
2016年の春はこのどちらかの選択を迫られました。

一扇磨青餅2016年

2014年からテーマにしている森林の環境。茶樹の育つ周囲の広範囲にわたる生態環境が健康であること。このことは絶対外せない条件として、しかしながら春の味も欲しいので、このお茶『一扇磨青餅2016年』では古茶樹100%をあきらめて、比較的早いうちに新芽・若葉の出る若い小さな茶樹の混ざることを妥協しました。
漫撒山では4月3日が春の最後の茶摘みの日でしたが、後から振り返ると、漫撒山一帯の古茶樹の初摘みのピークは4月20日頃でした。西双版納では4月12日からダイ族のお祭り撥水節(水掛け祭り)があり、夏がはじまります。気温が上がり雨が多くなり、春の味が薄れます。手元に集めたいくつかのサンプルを比べてみても、そのような感じだったと思います。

一扇磨青餅2016年

一扇磨青餅2016年

■一天一采
2016年はすべて一天一采です。
ある一日に摘んだ茶葉で、ひとつのお茶を仕上げます。別の日に摘んだ茶葉を混ぜません。
茶葉の成長、その日の天気、日暦のめぐり、製茶時の気温や湿度、そしてお茶をつくる人の体調や気分。ある一日における「自然」が茶葉に宿ります。そのような変化があって安定しないことを尊重しています。
「自然」ということの捉え方。ひとつの世界観があります。

2016年春のオリジナルのお茶は全部で14種です。

■采茶日
■お茶の名前
04月07日
章朗古樹青餅2016年・緑印
04月06日
章朗古樹紅餅2016年
04月05日
章朗古樹青餅2016年・黄印
04月05日
章朗古樹紅餅2016年・青印
04月03日
漫撒一水紅餅2016年
04月01日
香椿林青餅2016年
03月29日
巴達生態紅餅2016年(茶友部)
03月28日
一扇磨青餅2016年・緑印
03月22日
香椿林紅餅2016年
03月21日
一扇磨青餅2016年・黄印
03月21日
一扇磨青餅2016年
03月21日
一扇磨紅餅2016年
03月21日
漫撒春眠紅餅2016年(非売品)
03月17日
巴達生態紅餅2016年・青印(茶友部)

■製茶
『一扇磨青餅2016年』は農家が殺生(炒り)。
『一扇磨青餅2016年・黄印』は店長が殺生しました。
「黄印」は後の渥堆のために、若干浅めに火入れしています。

一扇磨青餅2016年 一扇磨青餅2016年

一扇磨青餅2016年

一扇磨青餅2016年

揉捻はもちろん手揉みです。

一扇磨青餅2016年

晒干(天日干し)は、翌日3月22日のスッキリ晴れた空の下、早春の涼しい風に吹かれて、一日で気持ちよく乾いています。

一扇磨青餅2016年

■圧餅(圧延加工)
5月14日孟海県の工房にて、石型で圧延後、晒干(天日干し)で仕上げています。
『一扇磨青餅2016年』 28枚出品。
『一扇磨青餅2016年・黄印』 19枚出品。
無印のほうをやや多めにつくっています。

■品茶
『一扇磨青餅2016年』はサラッと。
『一扇磨青餅2016年・黄印』じっくり。
茶器選び、湯の注ぎ方、蒸らし時間、淹れ方を工夫してみてください。

一扇磨青餅2016年

一扇磨青餅2016年 1枚 180g

一扇磨青餅2016年・黄印 1枚 180g


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